2025.09.22

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面不動鍾乳洞(気温8°)で この冷たさを家に入れたいと思った話

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WRITER湯川 良太

設計担当湯川です。 今年の夏は(今も)何か特別な暑さでしたね💦 家の設計していると冬の暖房効率やヒートショックについては凄く考えるのですが このままだと夏の酷暑についても 人と家 両方について 本格的に対策考えていいかなあかんよなぁという事で考えをまとめてみました。  

それで まず人については 空気の状態 (気温、湿度、二酸化炭素濃度、浮遊粉塵)を 良い状態に保つための考え方や対策が必要で 高気密高断熱や換気システムの仕組み、 エアコンの効率 、 家の間取りによって 夏であれば室温26°~28° 湿度60%程度 二酸化炭素濃度1000ppm以下を目標に建築コストを調整しながら住宅業界全体で性能を高めていく流れになっています。 この分野はハウスメーカーや工務店から 色々な提案が出ていて 毎年バージョンアップしている状態です。  よく宣伝で言われる【エアコン1台で家中あったかい】とう事です。  

ちなみに たった一台で家中暖かいなんてすごい!! という話ですが すべて机上の計算式での話なので実際に住んだ時にどうか?についてはちょっと疑問を感じております。 エアコン1台でいけるかは簡単な計算式があるので 計算すると 仮の条件として 断熱性能を表す数値の外皮平均熱貫流率UA値 0.50W/㎡K × 家の外側面(屋根壁床)の面積(180㎡)×室内外の気温差(15°)で 1時間にどんだけのエネルギー(1350w/K)が外へ逃げるのかわかるのと 24時間換気扇によって外へ排出される熱量(換気量㎥×外気の比エンタルピ差×0.277×1.2)によるエネルギー量を合計した数値が エアコンの暖房能力以下であれば 理論上エアコン1台で冷暖房可能という感じになります。 最近の高気密高断熱住宅(G1グレード以上)であれば 理論上1台~2台の6畳用エアコンで計算は成り立つのですが 実際には部屋の体積や窓の方角や大きさ、部屋の使い方で熱負荷が変わるので 条件の異なる各部屋の室温を エアコン1台でそれぞれコントロールするには ちょっと無理があるのでは? 送風の為のエネルギーロスもあるし あとエアコンが感知できるのはエアコン周囲の室温だけなので より遠方にある各部屋(トイレや廊下・脱衣室)を適温にコントロールするにはちょっと難易度高いかも? と考えております。  とくにトイレ脱衣室は 一番ヒートショックによる死亡リスクが高いので注意したい部屋になります。

それと 家本体の暑さ対策については 【熱害】と言って 自動車や工作機械では検討されている項目になるのですが 特に屋根面が夏の直射日光により高温に晒された際に屋根断熱材や樹脂部材の熱劣化については 今後考慮されるべき項目だと考えてます。 

そんな事を 1年中気温が8度で保たれている 奈良県胴川の面不動鍾乳洞へいって 中でその寒さを味わいつつ この地中の冷たいのを夏に普通の家に入れられたら気持ちいいのになぁ~ なんて考えながら 家族と過ごした夏休みでした。

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湯川 良太

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お家づくりは楽しいです。でも一生をかけて行う覚悟のいる事でもあるので、住まわれる方と造る側双方が信頼しあえる関係性が大切です。価値観を共有しあえるか?実際に会ってみないと解らない事もあるのでお互いにしっかりと話し合う事が、お家づくりの正しい始め方だと思っています。

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