24時間換気システムとは？フィルターを掃除しないとどうなる？

INDEX

□24時間換気システムとは？
□24時間換気システムの種類
□24時間換気システムのフィルターを掃除しないとどうなる？
□まとめ

近年建てられた住宅には、24時間換気システムという設備が標準装備されています。
最近は新型コロナウイルスをはじめとした感染症の流行やハウスダスト対策への意識の高まりから、住宅の換気性能に気を使う人も増えてきています。
今回は、そんな方々にとって重要な24時間換気システムの概要と、設備のフィルター掃除について解説します。
換気性能にこだわった住まいをご希望の方は、ぜひご覧ください。

□24時間換気システムとは？

24時間換気システムは、今や新築住宅やリフォームにおいて欠かせない存在となっています。
このシステムが一般的になった背後には、2003年の建築基準法の改正があります。

1.必要性と法的背景

この法改正は、シックハウス症候群の予防が主な目的でした。
シックハウス症候群は、頭痛やめまい、皮膚の刺激などを引き起こす健康被害で、気密性が高い住宅が増えたことで社会問題化していました。
この問題に対処するため、24時間換気システムが義務付けられたのです。

2.健康面でのメリット

このシステムは、空気を常に新鮮に保つことで、シックハウス症候群や結露、カビの発生を防ぎます。
特に、結露による壁や床の劣化、カビやダニの発生は、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
そのため、健康と快適な住環境を維持するためには、このシステムの導入が不可欠です。

3.緊急時の対応

しかし、大気汚染や災害時には、システムを一時停止する必要があります。
このような緊急事態に備え、システムの停止方法についても事前に確認しておくことが重要です。

□24時間換気システムの種類

24時間換気システムには、いくつかの主要な種類が存在します。
それぞれには、独自のメリットとデメリットがあり、住宅の条件やニーズに応じて選ぶ必要があります。

1.第1種換気

第1種換気は、給気口と排気口に換気扇を設置し、機械制御で効率的な換気を行います。
この方式では「熱交換システム」が使用可能で、温度差に応じて外気を調整できます。
しかし、設置費用や電気代が高く、メンテナンスも手間がかかります。

2.第2種換気

第2種換気は、給気口のみに換気扇を設置し、排気は自然換気に頼ります。
この方式は、室内の気圧を高く保ち、汚染物質や菌の侵入を防ぐため、衛生的な環境を維持しやすいです。
ただし、湿気が溜まりやすく、結露も発生しやすいのが欠点です。

3.第3種換気

第3種換気は、排気口に換気扇を設置し、給気は自然換気に頼ります。
この方式は、導入コストを抑えられる一方で、汚染物質や菌が侵入しやすいというデメリットがあります。

□24時間換気システムのフィルターを掃除しないとどうなる？

24時間換気システムは、その名の通り一日中稼働しているため、フィルターの清潔性が非常に重要です。
このフィルターが目詰まりや汚れで機能を失うと、その影響は健康から住環境まで多岐にわたります。
ここでは、フィルターの重要性、それが汚れた場合に起こる問題、そして適切な洗浄と交換の方法について詳しく解説します。

＊フィルターの不可欠な役割

フィルターは、外部からの微粒子や花粉、汚染物質を阻止する防壁となります。
この防壁が弱まると、健康にも住環境にも悪影響を及ぼす可能性が高まります。
特に、高性能なフィルターはPM2.5などの微細な粒子までキャッチする能力があり、その機能を維持することが肝心です。
さらに、フィルターが正常に機能することで、室内の湿度や温度も適切に保たれます。

＊汚れたフィルターが引き起こす問題

フィルターが汚れると、その効果は次第に低下します。
汚れたフィルターは、給気性能と排気性能の両方に影響を与え、最終的には換気システム全体の効率を落とします。
特にキッチン周辺では、油汚れがフィルターに付着し、その結果、目詰まりが起こりやすくなります。
目詰まりが進行すると、換気システムが完全に停止する危険性もあり、その場合は修理や交換が必須となります。

＊洗浄と交換の重要性

フィルターの洗浄は、水で簡単に行えますが、その前に必ず説明書を確認してください。
また、フィルターの寿命も考慮に入れ、定期的な交換が必要です。
適合しないフィルターを使用すると、システム全体の性能が低下するだけでなく、取り付け自体が不可能な場合もあります。
フィルターの交換時には、換気システムのメーカーと型番を確認し、適合するフィルターを選ぶことが重要です。