2025.03.19

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TAKEちゃんの あちこち町散策3 – 新宮市

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WRITER楠本 建

こんにちは!建築大好きTAKEちゃんです!

さっそくですが今回は新宮市にお邪魔してきました。

 

新宮市は熊野川の河口に位置し、熊野速玉大社の鳥居前町として栄えて来た歴史ある街です。

10年以上前にお伺いしたことはありましが改めて建築の視点で散策したいと思い来訪しました。

まず初めに速玉大社と丹鶴城といった史跡めぐりをしたり、

仲之町商店街のレトロな喫茶店でお茶したりしました (^^)

速玉大社

丹鶴城

 

 

 

 

 

 

またこちらは偶然見つけた昭和レトロな珠算教室ですが

なんと玄関の軒下にソロバンをモチーフとした欄間が取付られていました!

職人のユーモアな遊び心を感じさせます。

珠算教室遠景

玄関

欄間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今回の散策の一番の目的は「西村伊作」さんの建築作品を見学することでした。

西村伊作さんは新宮市の生まれで、大正、昭和を代表する

建築家、画家、陶芸家、詩人、生活文化研究家であり、文化学院の創設者という多岐にわたる分野で活躍した方です。

中でも建築家としての功績は格式や接客を重視した封建的な住宅が主だった大正時代に、

家族のつながりを意識し、リビングを中心とした間取りを提唱し建築されたことです。

大正時代の住宅は封建的な家族制度が反映され客を迎え入れる座敷や玄関は

上質で広く日当たりのよう場所を占めていました。

一方で普段の生活の場、茶の間は重視されず家族のプライバシーも守られていませんでした。

そんな中で西村伊作さんは「リビングを中心とした住宅」を目指し、

「家族の団欒を楽しみ、暮らすこと」という現在にも通じる理念を住宅建築に具現化しました。

西村さんの活動は次第に大正デモクラシーの大きな渦の中で大きくなり全国各地に数多くの作品を残されています。

旧西村家住宅

 

 

 

 

 

 

 

そんな西村さんが設計された自邸である旧西村家住宅が新宮市にございます (^^)

朱色の妻壁と外壁の白漆喰のコントラストが印象的で、窓枠や円形のバルコニーが

洋風っぽさを醸し出している可愛い建築です。

旧西村家住宅を実際に見て思ったことは西洋建築をそのまま真似ているわけではなく、

日本建築の文脈に取り込んだうえで、高度な組立てがされているということです。

使用されている建材や工法は日本建築であるのに、窓枠や軒先にシンプルな装飾を施すことで

飽きの来ない新しいデザインとして昇華させていました。

旧西村家住宅

旧チャップマン邸

 

 

 

 

 

 

 

 

古い歴史ある新宮市を背景に大正デモクラシーと文明開化の息吹が感じられる町散策となり、

改めてこれまでの建築の歴史と現代建築の立ち位置について考えさせられる

とても有意義な一日でした(^^)

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楠本 建

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