2026.06.24
社長ブログ
『江戸っ子母ちゃん ー母ちゃん家を持つ編ー』
-わくわく新聞 2023年7月号コラムより― 前回の続き、母ちゃんの事書きます。 日本一高い山、富士山。富士の樹海の中、標高1000mの所に
2026.06.25
社長ブログ
WRITER石山 登啓
-わくわく新聞 2023年8月号コラムより―
前回からの続き母ちゃんの事、書きます。
2014年に高垣工務店のお客様のお爺さんの声
「な一石山!
わしらの遊ぶところを創ってくれんか!」
って言葉がキッカケで、
介護事業「きたえる一む」がオープンした。

当初、半日型ディサービスは物珍しく利用者が少ない。
母ちゃんに”さくら”として利用者の参加をお願いした。
「まだ、元気なのにそんなところ、行きたくない」と抵抗。
「も一母ちゃんも80歳。
健康寿命は過ぎてるねん。
予防の為、家でおらずに運動しなさい!」
役所から介護認定の人が調査に来る日、
家を掃除し、よそ行きの服に着替え、背筋を伸ばし、
いつも以上に“私ボケていません感”をPR。
「かあちゃんそれじゃー介護受ける人にみえないでしょ!」
それが、昭和の人だった。

きたえる一むに通うようになってから、お友達もでき、
自分の孫のようなスタッフに囲まれて、
サークルに通う学生みたいに楽しそうだった。
夫婦で合間を縫って、
母ちゃんは、はまゆう病院のボランティアに参加し、
父ちゃんは竹ぼうきで、白良浜の清掃活動をし、
僕たち夫婦が忙しいと、孫の面倒を喜んで見てくれた。
人様と関わり、貢献することで、人生を楽しんでいた。
そんな矢先!
父ちゃんが突然パーキンソン病になった。

これまで病気とは無縁の父ちゃん。
マグロと同じ!
止まったら死んでしまう父ちゃん。
キングコングの西野よりポジティブだったあの父ちゃんがパーキンソン病になってしまった。
腰は直角に曲がり、手は震え、歩く速度も極端に遅くなリ、
表情も暗く、靴も小学生が履く”白い上靴”を履くようになった。
母ちゃんは僕が4歳の時に、十二指腸潰瘍を患って、
一度死にかけて大きな手術をした。
今もお腹には6つの穴と大きな切り傷がある。
当時、僕と弟は母ちゃんのお腹を見るたびに、
7つの傷の男「北斗の拳」の″ケンシロウのお腹″と言って笑っていた。

父ちゃんは、
「お母ちゃんは体が弱いから大事にしてあげるんだぞ」と言って、
どんなに仕事から疲れて帰ってきても、
家事を手伝っていた。
あのたくましい父ちゃんが少しずつ弱っていくのを、
近くで見守る母ちゃんは辛かったと思う。
また、父ちゃんをトイレに連れて行くのが大変だった。
父ちゃんの手を母ちゃんが引っ張リ、
母ちゃんを僕が引っ張リ、便所につれて行く姿は、
小学校の時に習った「おおきなかぶ」みたいだった。

父ちゃんを介護する生活を送る母ちゃん。
愚痴の数もふえる。
「じいさん、耳が遠くなりやがって!」
「全然動かねー!ほんと腹立つわ!」
「父ちゃんを怒鳴っていれるから、私は元気でいられるの。」
せめても、愚痴に前向きなのが救い。
そんな母ちゃんが、今度は、腎臓を患い病に倒れた。
先生から入院を進められたが、
「体が動かない父ちゃんをおいて、私は入院できない!
これで死んだらそれが私の寿命よ!」と、
頑なに入院を拒んだ。
食事も喉を通らない、どんどん痩せて元気がなくなる、そんな毎日が続く!

心配で三重県から弟も仕事の合間をぬって尋ねてきてくれたが、そんなに連続では通えない。
僕も仕事が忙しく毎日は通えず、
親戚からも
『お前、仕事と親どっちが大事なんだ?』
と、言われても動けない。

母ちゃんは「男ならちゃんと仕事をしなさい!」といつもの通り、
強がりながら言ってくれた。
そんな時、心から支えてくれたのは「きたえる一む」のスタッフでした。
スタッフのことが大好きで、孫のように接していた。
やたら、
″人生相談にのりたがる父ちゃん”と、
“お世話好きな母ちゃん”をスタッフは慕ってくれた。
年寄りの両親をかかえる家族として、
自分たちの家族以上に両親の事を思ってくれる人がいる事がありがたい。
今の日本は本当にありがたい。
老人の介護サービスがしっかりしている。
両親の為に、わざわざヘルバーさんが、毎日家に来て、生活のお手伝いをしてくれる。
皆さんのおかげで、母ちゃんも奇跡的な回復をとげ、
「石山さん寂しかったわよー」と言ってくれる、きたえる一むの友達もいて、
また、通えるようになった。

また、病が治りきっていない母ちゃんは、それでも病院のボランティアに通う。
どんなにしんどくてもお世話する側に回りたいらしい。
「本当に自分が動けなくなったときにお世話になるから」
そのための“見えない貯金”らしい。
父ちゃんからいきなり電話。
お散歩に必要な「新しい手押し車が欲しい」と買い物に付き合わされた。
帰りに、母ちゃんが「寿司が食へたい」と、寿司屋に連れて行かされた。
父ちゃんから「お酒飲んでいい?」と笑顔でお願いされた。

腰の曲がった父ちゃんの手とヨボヨボに痩せた母ちゃんの手を引いていたら、
子供の頃おもちやをねだって買ってもらい、
両親に手を引かれながら帰りにお子様ランチを食べさせてもらった子供の頃を思い出した。

『あと、これが何回できるのかなー』
と思ったら、涙が出てきた。
それから、時間かあると母ちゃんと父ちゃんを連れて、
色んなものを食べに連れて行った。
今、やっておかないと後悔する気がしたから。
“人”って字は良くできている!
支え合わないと形にならない。
家って人がいて家なんだな。
子供たちがいて、夫婦がいて、ヘルパーさんが来てくれて、
支え合って、人として成り立つ。

しかし、支えきれなくなると施設にはいる。
家は人がいなくなると、どんな立派な家でも自信無く見える。
急に家じゃなくなる。
2023年のお正月。
母ちゃん、父ちゃんと僕と弟、家族勢そろいで、わさわざ写真館で家族写真を撮った。
それが、母ちゃんと撮った最後の家族写真となった。

5月、弟から救急車で病院に運ばれた母ちゃんの事を電話で聞いた。
次回、「江戸っ子母ちゃん」最終回です。
『お施主さまとは生涯のお付合い』だと思っております。人生で一番高い買い物。家の性能はもちろんですが、紀南地方は台風や雨・風が凄い地域。家を守る事と、お施主さま家族と人生の苦楽を共に生きる、生涯お付合いできる仲間を育てるのが私の使命だと勝手に思っております。家だけでなく、そんな暑苦しい会社ごとかってください!!
この記事のカテゴリ:
Same category
Popular articles!
TAGS